2020年1〜8月日本茶輸出状況

 世界的なコロナ禍の中、日本茶の輸出も相当の打撃を受けることを予測していたが、結果は、8月単月で前年比161%と驚きの結果を得ることができた。1〜8月累計でも前年比102%と健闘した。輸出に取組む皆様のご努力の賜物以外の何物でもありません。


★実績の上昇した多くの国は、「粉末状緑茶」が伸びたことが要因と考えられるが、他方、ドイツ・タイ・マレーシア・フランスのように、所謂「煎茶タイプ」が急増したことにより実績が伸びていることは見逃せない現象である。

★中国への数字が急伸しており、その要因は「粉末状」の増加が原因である。既報のように、中国自体、急速に抹茶の生産体制を整えつつあるが、国内需要の増加の為か、原因は定かでない。

★世界各国が日本の抹茶を購入している現在、強力な競争相手である中国の存在を常に意識し、将来来るであろう「価格競争」に巻き込まれることが無いよう、今から「日本抹茶」の位置付けを意識し、追随を許さない市場の確立と確保を図らねばならない。

★ドイツはヨーロッパにおける重要な輸出先であるが、以前にも触れたように、ヨーロッパにおけるディストリビューターとしての力が減少している懸念がある。EUにおけるドイツのシェアを見ると、2019年8月は58%であったものが、本年のそれは52%と低下している。その分、EU各国の輸出実績は増加している。
茶の非生産国でありながら輸出に取組む国は多いが、今後、これら各国への対応を検討しなければならない。

★今後、注目しなければならない国
ロシア、スイス、ベルギー、メキシコ、オーストリア、中近東各国


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●過去の輸出実績データについては、資料一覧ページをご覧ください。