2020年度1〜12月年間輸出額160億円を達成!

 世界各国に蔓延している新型コロナウイルスは、経済は元より、これまで経験したことが無い様々な場面で影響を及ぼしている。

 特に、日常的食品として世界的に名が売れていない日本茶にとっては、宣伝・営業活動は必須条件であるが、国内外の状況により、その活動も不可能な中、日本茶輸出は減少が予測されたが、過日発表された貿易統計では、輸出額16,188百万円、前年対比111%と、素晴らしい実績を収めた。主要輸出先である米国は、全輸出金額の52%を占め、本年度が前年比130%と大きく伸びたことが寄与している。上位20ヵ国の輸出額は、15,674百万円と全体の97%を占める結果となっている。

 日本茶全体としては、金額で前年比128%、数量で106%と伸びている。
 米国、カナダ、英国、フランスでの増加が目覚ましく、全体を牽引している。
 特に「粉末状」の伸びが顕著で、数量、金額に大きく貢献しているが、コロナ対策として手軽に緑茶を摂取出来ることが増加の要因か?現地の需要状況を教えて頂きたい。
 注目すべきは、EU域及び中近東で伸びが著しい国が多く、日本茶として定着することを期待したい。
 これも関係各位、各社のご努力の結果とお慶び申し上げます。

 注目すべき輸出先は、20年度実績を伸ばしたカナダ、マレーシア、英国、オランダ、オーストリア、ロシア等であるが、特にオーストリアの「粉末状」の伸びが注目される。その他、EU圏内の東欧各国が実績を伸ばしており、日本茶への関心の源泉を知りたいものである。又、先月にも申し上げた中近東各国が注目されるところである。

 前述のように、上位20ヵ国で97%のシェアであり、40か国ではほぼ100%であることから、今後の輸出先推進は、先ず、上位20ヵ国を重点的に攻略すること提案したい。 国では、2030年までに、農林水産物・食品の輸出額を、現在の5倍の5兆円目標を設定したが、この目標で行くと、日本茶では150億円の5倍、750億円の目標となる。
 農水省では、2025年には現在の2倍312億円の目標を設定しており、茶業界全体でこの達成に向けた戦略を検討しなければならない。


●2020年1〜12月 日本茶輸出実績 PDFダウンロード

●2020年12月(単月) 日本茶輸出実績 PDFダウンロード


●過去の輸出実績データについては、資料一覧ページをご覧ください。