2020年1〜7月日本茶輸出状況

 世界的に新型コロナウイルスが蔓延する中、世界の経済活動の低迷も顕著になっている。
 8/17に発表された我が国のDGP実質成長率も、年率▲27.8%と、過去に経験のないマイナスが予測されている。
 国内的にも消費が低迷し、生産・流通共々苦境にある日本茶業にとって、その維持・拡大の一手段として輸出に力を入れているが、このような世界的経済活動低迷の中、その動向が心配される。
そのような環境の中、財務省から7月の貿易統計が発表されたのでその概況についてお知らせします。


 6月に続いて、大幅な減少が予想されたていたが、7月単月では、前年比数量で117%、金額で122%と、相手先国により格差はあるものの、喜ばしい数字となっている。
 現地及び国内での商談ができない、航空便の減少等、輸送手段の縮小等、商業環境が極めて悪い中、このような結果を得られたことに、輸出に取組む皆様のご努力に敬意を表します。

★最重点国である米国は、単月で前年比、数量193%、金額で191%と倍近い実績となっており、結果、1〜7月輸出額では、前年比111%と予想外の伸張となった。特に、「粉末状緑茶」の増加が目立つほか、いわゆる「リーフ茶」の増加も多く、コロナによる「内食」増加なのか?はたまた、緑茶の持つ免疫増進効果が期待されたのか?米国へ輸出している皆さんのご意見を伺いたい。
米国は、これまで輸出の「40%」を占めていたが、1〜7月では「59%」と、極めて大きなシェアを占めるまでに成長している。

★上位20ヵ国の輸出額順位はあまり変わらない。
★主力であった香港の政情変化が、ディストリビュターとしての活動にどのような影響が出てくるか注視しなければならない。
★台湾は、緑茶の国内消費量4万トンに対し、自国生産量2万トンで、2万トンの輸入をしなければならないが、7月単月の落ち込みが大きく、今後の動きを注視したい。
★EUはドイツを主体としてきたが、前年比85%と低調である。但し、オーストリアは「粉末状」の増加が著しく注目に値する。ロシアへの窓口になっているとの情報があるが詳細は判らず、お教え頂きたい。

コロナ騒ぎはまだまだ続きますが、協議会は、リモトートによる商談会、セミナーの開催や、動画による日本茶宣伝等により、皆様のお手伝いを企画しています。


●2020年1〜7月 日本茶輸出実績 PDFダウンロード

●2020年7月(単月) 日本茶輸出実績 PDFダウンロード


●過去の輸出実績データについては、資料一覧ページをご覧ください。