2020年1〜9月 日本茶輸出状況について

 世界的なコロナ禍は落ち着くどころか、欧米を中心に第三波の蔓延拡大の中にある。都市、ひいては当該国のロックダウンも検討されており、経済活動は一層し難くなっている現状にある。

 この様な状況の中、1〜9月日本茶輸出実績は前年比103%と健闘している。
 特に9月単月で見ると、輸出主要国である米国、台湾がそれぞれ141%、203%と驚異的な伸びをしており、全体の実績を引っ張っている。特に両国共、「粉末状」ではないいわゆる「リーフ茶」が伸びているのが特徴で、これは両国に限らず、輸出先全般に言える傾向であり、茶生産者にとっては嬉しい傾向と言える。

 EU域では主力のドイツ、フランスが低調である反面、オランダの他、東欧諸国での伸びが注目される。

 また、オーストリアの伸張が目覚ましく、「粉末状」のみの輸入であるが、国の規模からすると国内需要だけではない流通経路が考えられ、ドイツを中心としたこれまでの欧州における茶流通自体が変化しつつあるとも考えられる。

 世界的なコロナ騒ぎの中、あらゆる食品の家庭内需要が増加していると言われるが、緑茶(抹茶を含む)が健康飲料であることの認識が広がっていると考えられるだけに、これを日本茶普及拡大の大きな機会と捉え、早期に日本茶ブランドの確立に励まなければならない。


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