ITC総会及びティー・トレイド・ディナー出席報告

 平成27年度日本茶輸出促進事業の内、「輸出環境課題の解決に向けた取組」の一環として、5月にロンドンで開催されたInternational Tea Committee(ITC)の総会に出席したので、下記のより報告します。

1.報告者
日本茶輸出組合 副理事長 谷本宏太郎
((公社)日本茶業中央会会員団体)

2.日 時
2015年5月7日 11時から  ITC総会開催
2015年5月7日 19時から  第86回ティー・トレイド・ディナー開催

3.会 場
ITC総会:Carlton House Terrace1
ティーマンズディナー:The Savoy Hotel

4.出席者
 議長 Dr.Norman Kellyのほか、インド、スリランカ、マラウィ、米国、フランス、日本、中国等13名

5.総会議事
(1)議事録承認
(2)会費納入状況報告
(3)会長、副会長選出
        会長は続投

6.各国からの報告


マラウィ
天候不順の為、収量が15%減少。東アフリカ諸国の生産量が多いため販売に苦慮している。
品種化が進んでいる。


インド
アッサムの生産量は減少しているが西ベンガル地域は多い。南方ではケララが高収益でタルミナドゥが少ない。全体での収穫量は安定している。
小規模農家の集中化が進み、正確なデータ収集によって、生産量は現在知られている26%から30%に訂正されそうです。輸出ではバルクでの扱いが少なくなってきている。


アメリカ
15%のシェアを持つ飲料と10%のシェアを持つ高級茶が成長を続けている。
紅茶はあらゆる産地からの輸入が増加している。
見通しは明るく、世界第二位の茶輸入国になった。


日 本
国内では飲料は高級茶も取り入れて成長を続けている。輸出においては放射能問題は未だに残っていて、台湾は5月15日から日本からの輸入が禁止される。
CTC緑茶の研究が始まった。
静岡で次回のISO会議が開催される。


フランス
現在フランスでは高級茶嗜好が強まってきている。
リーフ茶の市場は15%程度あり、この市場に国際的な大手業者が本格参入してきた。


スリランカ
年間輸出金額は16億ドルで、輸出への関心は依然として強い。
収穫量の減少と人件費の高騰が気がかりではある。
スリランカ各地やトルコから輸入している主要10か国は2014年にもっとも大量に輸入した。
世界的なキャンペーンの予算が確保できたため「ピュア・セイロン・ティー」のイメージが加速された。
昨年、ハロッズにおいて数人の有名クリケット選手を用いた2週間のキャンペーンが実施された。
今年はロンドンのIFE展示会にいくつかの輸出業者が出展し、スリランカ茶庁のためにギル・オブ・ファインフードの事業により「茶のマスタークラス」がロバート・ウィルソン氏によって決定される。


中 国
農業省と税関から得られたデータに基づく詳細な報告書が提出されました。
天候が良いので収穫時期が早まるだろう。
2014年の収穫量は2,092,000万トンだったが、2015年には2,200,000万トンになると予想される。
生産コストは上昇している。 国内ではインターネット通販が急上昇しているが、生産量が増加しているため輸出は安定していると想定されている。 年内に広東、広州、貴州、北京、上海で茶の大会が開催される。


ケニヤ 
「Forum for the Future」のおかげで今年早々にケニヤを訪問することができ、東アフリカ地域の生産量増加がすべての生産者に影響を与えていることが確認できた。
ケリチョ州政府とKTDAの間で価格安定基金の設立について合意できないでいることが報告された。
農業生産法人組織も小規模農家もどちらも生産量が伸びている。

ITC総会